
お役立ちコラム
【大学就職課向け】学生の就職後のミスマッチを防ぐには?
大学の就職課には、学生の就職後のミスマッチを防ぐ重要な役割があります。ミスマッチは、就職した会社や職務に対する予想と現実が大きく異なることで起こる事態を指します。この問題は学生個人だけでなく、大学、会社、学生の三方に問題を与えます。本コラムでは、就職後のミスマッチを防ぐための方法や、よく似た言葉の「アンマッチ」との違いについて考えます。
採用において、ミスマッチは新入社員が実際の業務を開始した際に明らかとなる不適合を指すことが多い言葉です。例えば、企業が求める業務内容と新入社員の能力やスキルが合わない場合、ミスマッチとして認識されます。 対してアンマッチは採用前の不適合を指すことが多い言葉です。例えば書類選考や面接の段階で、会社の方針と合わないと判断されたり、スキルが不足していると判断されたりして採用に至らなかった状況などをアンマッチと呼びます。
この記事では、前者の「ミスマッチ」について取り上げます。

自己分析を行うように促すことは、ほとんどの大学で行っているでしょう。しかし、自己分析は行ったものの、それが不十分でミスマッチが発生してしまったというケースは多くあります。
他にも、自己分析は行ったもののそれを仕事選びの軸としては活かさず、自己アピールの材料としてしか使わなかったためにミスマッチとなってしまったということも考えられます。
もちろん、自己アピールのためにも自己分析は非常に重要ですが、企業選びのためにも自己分析が大切であるという点を踏まえた上で、自己分析を進めてもらうようにしましょう。
大学と会社の関係構築を強化することで、学生が会社を深く理解する機会を増やすことができます。これにより、就職後に学生の期待と現実が違うという問題を減らすことができます。特に国立大学の場合は地元企業との関係増強が重要なので、積極的に取り組むようにしましょう。
ここでは、いくつかの取り組み例をご紹介します。
企業とのミーティングや懇談会の実施
企業の人事担当者や採用担当者と定期的に顔を合わせることによって、企業のニーズや期待を直接聞くことができます。
情報共有の仕組み構築
学生の就職活動状況やスキル、大学の教育方針などの情報を企業に提供することで、企業側には学生の状況を知ってもらい、逆に企業側からは求める人物像を聞き出し、大学側で把握できるような仕組みを構築しましょう。
企業と共同でのインターンシッププログラムの開発
実際の業務体験を学生に提供することで、企業は自社にマッチする学生を見極めやすくなります。また、学生側も自分の興味やスキルに合った企業で経験を積むことができます。さらに、インターンシップ参加後に企業と学生がフィードバックを交換する場を設けることで、今後のプログラム改善や学生の成長にも役立てられます。
企業説明会の開催
企業説明会を定期的に開催し、学生にその業界の魅力や、企業で求められるスキルを伝えつつ、学生と企業で直接コミュニケーションを取ってもらいます。
業界トレンドに関するセミナーの開催
企業の担当者を招いて、業界の最新のトレンドや採用ニーズについて学生に直接教えるセミナーを実施することで、企業との信頼関係を深めます。
OB/OGへの橋渡し役依頼
卒業生が企業で活躍している場合、そのネットワークを活用して企業と大学の関係を強化するためにできることがないか相談してみましょう。卒業生が現役の学生と企業を繋げるイベントを開催することも有効です。
共同研究やプロジェクトの実施
企業と共同で学生が参加する研究やプロジェクトを企画・実施することで、企業との関係を深化させるとともに、学生に実践的な経験を提供します。
成果の共有
大学と企業が協力して得られた成果を企業にフィードバックし、今後の採用活動に生かしてもらうことができます。
就職課には、学生の不安を解消し、ミスマッチを防ぐためのプログラムを持つことが求められます。これは、一方的な情報提供に止まらず、学生のニーズに近い支援を提供することを意味します。
企業の採用ニーズの把握
企業側の採用ニーズや求めるスキルセットを定期的に把握することによって、学生に対してそのニーズに合った支援を行うことが可能となります。
就職後のフォローアップ
就職後の調査やフォローアップを行うことによって、学生の情報を追跡し、次の世代につなげていくことができるようになります。うまく就職先にマッチした事例、ミスマッチが起きてしまった事例からそれぞれ分析を進め、組織的に対策を考えるようにしましょう。
学生一人一人に合わせたキャリアカウンセリング
前述のような情報があって、初めて学生一人一人の適性や希望に応じたキャリアカウンセリングができるようになります。学生のニーズや自己分析の結果を踏まえながら、大学側が持っている有用な情報を効果的に提供するようにしましょう。
学生は就職活動をするにあたり、ほとんどの場合は興味を持った企業の採用情報を見ることになるでしょう。しかし、そこに採用情報がほとんど載ってなければ、学生はスムーズに企業選びを進めることができません。そこで、企業が出す採用情報については、情報を充実させられる求人票の雛を大学側で作成したり、就職活動や企業研究のプラットフォームがあるのであれば、そこで情報を十分に掲載したりできるようにしましょう。
この記事では、大学生の就職後のミスマッチを防ぐために就職課ができることをご紹介いたしました。ただ企業の採用情報を学生に共有するだけではなく、就職課として学生と企業にどう関わっていけばよいかを考えて、様々なアクションを起こしていきましょう。
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2025年03月03日
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